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わたしの想い

テラスの写真

僕が社会に出た1993年頃の不動産と建築業界というものは、建売住宅も不動産業者が建てますので、基本的に目的が生活者の幸せではなく売上至上主義の傾向が際立ち、土地を高く売り、建物は単なるハコとして金額を抑えているものがほとんどでした。 ホルムアルデヒド等の化学薬品を多く使い、中に入ると目もあけられないほど刺激があったり、間取りも使いづらかったり、非常に劣悪なものが多くありました。 またそれらの不動産や建物を購入するお客さんも幸せだったかと思うと、離婚なされていたり、物件をすぐに売却される方も多く、不動産業者の建売住宅に疑問を持ち始めます。 それでもその物件を売らないといけないという時代で、数字に追われる日々を過ごします。

業界を見渡してみると... 設計事務所は自身の設計の作品化が優先してしまい、実際に住んでも夏は非常に暑かったり、冬も非常に寒かったり、これもまた使いづらかったりと生活者のことを深く考えられる設計事務所もごく稀でした。 ハウスメーカーも住宅展示場の維持や広告費で建築費が異常に高く、実際に建物に掛けられる費用は少ないものです。 また不動産業者から土地を高く買った購入者は、建築費に予算を掛けられません。結局、ローコストの住宅を建築することになります。厳しい中での予算による工務店が行う苦しい工事もよく見てきました。 そういった事例や事象を見るたびに、土地からデザイン・設計・施工が一貫してできる適正な予算を掛けた計画の大事さを痛感します。 そんな中、不動産を生活者目線で長期的に考えることのできる不動産会社の社長と出会い、ものすごい学びを得る時期がありました。不動産の本来の有効活用の方法や金融・相続・税務等の実務について学ぶ機会が多く、今の自分の基礎のひとつにもなっています。 当時は建築を一旦置いて、不動産実務を中心に様々な案件に携わらせていただきましたが、のちに建築と一貫して進めていくことが、関係者全員(今では八方よしでしょうか)に喜んでもらえる手法だということに気付きます。 ある工務店に目を向けるとデザインはいまいちだけど、現場にいる大工さんは自然を読み取ったり、快適に過ごせるようにと生活者への配慮を心掛けていました。

ハウスメーカーと比べても広告費が無い分、実際に建物に掛ける費用も格段に建物に掛けることもできていました。そして建築と不動産のこの仕事に、僕が見て感じてきた美術という文化が大きく役に立ちました。 本当に正しいこととは?既製品を組み立てたのみの家には、人の手が通わず、精神的な豊かさを見出しにくいと感じること。美しいこととは、調和や寛容であり精神的な部分が本質であること、それが文化的なものであること ThinkTown設立当時、建築に関しては、現場大工や制作者らも既製品をあてがう工事を中心にしている方も多く、手仕事によるおさまりやデザイン等を理解してもらうのに非常に苦労していました。

僕がこの納まりの方がきれいと伝えると「自分は今までこういう面倒くさいことはやってこなかったし、住む人の事は考えないよ。冨永さんの言っていることは宇宙人みたいだ。」と揶揄されることもありました。ここでも経済合理性が生んだ職人に泣きました。 「神は細部に宿る」という言葉通り、細部を美しく仕上げ、細かいことをきちんとやることで場の力が良くなり、最終的にはそこで生活する住む人に居心地や落ち着きを与えていきます。 その事を体感し経験してきた自分を信じ、情熱を持ち、続けて頑張っていると不思議なもので運命の出会いに恵まれます 今もメインで大工を頼む寺社仏閣もやっていた腕利きの棟梁を紹介される機会を得、親方は経験もあり知識も深い親方は現場でたくさんのことを教えてくれました。

自分の気持ちも研ぎ澄まされていくのが、分かるほど成長した時期でもあり更に良い職人たちが集まってきてくれた時期でもありました。 注文住宅は当然ですが、建売住宅も不動産会社ではなく建築の知識があって生活者目線で考えられる地域工務店が行う方が、僕は正しいと思います。 長い目で見てもお客さんと地域工務店がゆるくつながっている方が、お客さんにも安心してもらえると思いますし、そこに美意識が入れば更に良い。今のThinkTownの現場は当時の職方たちが中心になっています。今でも親方と共にたくさんの良い職方と細部にこだわる仕事を続けられていることを、本当に幸せに思います。

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